【レビュー】みさき公園 観覧車

review, みさき公園

みさき公園の観覧車は、初めて目にしたときから「なぜか好きだ」と思わせるデザインだった。

ゴンドラ自体は丸くてオーソドックス。だけど、輪の内側に広がる赤いギザギザのデザインが、どうにも気になる。ギザギザの凹んだ部分にぴったりとくっついている丸い部品(よく見ると五角形だった)の配置も可愛い。しかもよく見ると角が9つ。対称ではないところも珍しくて、妙に心惹かれた。

このように書いても、なぜ好きなのかは結局うまく説明できない。でも「気になる」という気持ちだけはずっと残っていた。

 

そんな観覧車に残念なニュースが舞い込んだのは2019年3月。
運営元の南海電鉄が、翌2020年3月でみさき公園の運営から撤退すると発表したのだ。

遊園地好きの方のSNSによると、「撤退後別の運営先が引き取る可能性は低い」「閉園してしまうのでは」との意見が多数。
これは行けるうちに行っておかなければ——。そう思って、夏休みの関西旅行初日を急遽変更。新大阪から南へと向かうことにした。

 

新大阪からは御堂筋線で動物園前下車、そこから南海の新今宮まで歩く。
駅のホームで待っていると、青いロボットのような「特急ラピート」が次々に入線してきて、子供達は大興奮。しかし残念ながら全て関西空港行きなので、みさき公園は通らない。

我々は対照的にレトロな渋い雰囲気の「特急サザン」に乗車。
新今宮から45分ほどでみさき公園駅に到着。位置的には大阪府のほぼ最南端で、次の駅はもう和歌山県。

改札を出ると、だだっ広い広場が広がっていて、遊園地の影すら見えない。思わず「遠いのでは?」と不安になったが、同じ気持ちになる人が多いのだろう。「ここから約5分です」と書かれた看板が立っていてホッとした。

坂を下ると、ようやく入口にたどり着く。駅から見えなかったのはこの地形のせいだ。
入口までの道ですでに観覧車の上半分が見えてきた。

(写真を撮り忘れたが、左側の白いあたりが入口)

記念撮影用の看板

園内は想像以上にアップダウンが多い。観覧車は高台にあることが多いが、みさき公園も例外ではなかった。坂を登って、さらに登って……ようやく姿が近づいてくる。

この日は30度を超える猛暑日。コンクリートの坂を登り続け、ようやくたどり着いたころには全員ぐったり。まずは休憩所で水分補給をしてから、観覧車へ。

利用はプリペイド式の「Mipo(MisakiPoint)」。観覧車は一人300Mipo(=300円)

ゴンドラは4人乗り。丸い形だけど、ガラスが大きくて開放感がある。泉陽興業社製で、よこはまコスモワールド海遊館のゴンドラを丸くしたようなデザインだ。よく見ると横には「みさき公園」のロゴ。

眼下には、登ってきた園内が見下ろせる。

遠く写真右の方に見える灯台は、実は本物ではなく1961年にシンボルとして建てられた「観光灯台」。老朽化で役目を終え、今は観覧車がその代わりを担っている。

さらに上ると、大阪湾が広がる。晴れてはいるが、空気が澄んでいないのか海の先まできれいには見えない。右奥にはうっすら関空の姿も。

スライダーのあるプールもあったようだが2019年は台風の影響で営業しておらず。

スポークは赤やピンクの暖色系なのでどことなく可愛い雰囲気

ゴンドラ内にはうちわが。
南海電鉄の子会社であるフェリーの広告入り

みさき公園の観覧車は3代目。1・2代目は別の場所にあった。色あせてはいたけれど、どこか愛嬌があった。

乗車後はやはり起伏の激しい別の道を通って…

イルカショーを堪能。

その後、2020年3月31日、みさき公園は63年の歴史に幕を下ろした。跡地は公園として整備されるが、新たな観覧車の予定はなく、私たちが乗ったあの観覧車も閉園とともに役目を終えると思っていた。

ところがその後、那須高原のりんどう湖ファミリー牧場への移設が発表された。
そして約1年半後の2021年7月17日から新天地での営業をスタート。

もう二度と会えないと思っていた観覧車が別の場所で再び活躍しているというのは、なんとも嬉しい。塗り直された車体も鮮やかで、次に会いに行くのが楽しみだ。
 

 

※参考サイト
点灯してない「みさき公園」の灯台は本物じゃない? 存在理由って(THE PAGE) – Yahoo!ニュース
みさき公園ロープウェイ|失われたロープウェイ (8beat.com)