【レビュー】姫路市動物園 観覧車
今年5月、平成は終わり「令和」となった。
観覧車は平成後半になると新設の数がぐっと減り、代わりに老朽化による営業終了のニュースが目立つようになった。
それでも、昭和中期に誕生し、今も現役で頑張っている観覧車もいる。
それらの観覧車には、元気なうちに絶対に乗っておきたい。
そういう意味で、今最も訪れたい観覧車は「姫路市動物園」のものだった。
1951年に開園した姫路市動物園は、国宝・姫路城の白壁が映える内堀のすぐそばにある。
キリンやゾウ、カバといった大型動物から小動物まで幅広く楽しめ、開園以来、地元の子どもや家族連れに愛され続けてきた。
入園料は200円(2019年時点)と良心的で、近年は昭和レトロな雰囲気や懐かしの遊具を求めて訪れる若い世代にも人気が広がっている。
翌1952年に遊園地がオープンしたが、現在の観覧車は2代目。
姫路城が「昭和の大修理」を行った1964年に見えやすい位置に場所を移し、そのタイミングで今の観覧車へと建て替えられた。
以来ずっと現役で、2019年時点で55歳。日本でもトップクラスの古参観覧車だ。
さて当日。
まずは姫路城を堪能。
天守から園内を見下ろすと、小さな観覧車が木々の中にのぞいていた。
…が、写真に撮るとあまりに小さく、米粒のようになってしまった。

拡大するとこんな感じ。上の写真の木々に囲まれた白いT字型(飛行塔)のすぐ左にある。

姫路城の急な階段で疲れた体を少し休め、ゆっくりと動物園の入園ゲートへ向かう。
動物のシルエットや「姫路市動物園」の文字に隠れたイラストが可愛らしい。

入園するとすぐにフラミンゴたちの後ろに、観覧車の上部がちらっと見えた。

観覧車の高さは約12mと、今どきの大型観覧車に比べればずっとコンパクト。
片側だけで支えている昔ながらの作りで、今国内ではもうここ姫路市動物園でしか見られないはず。
(過去に「五桂池ふるさと村」という場所で乗ったことがあるが、この観覧車はもうない)
しかし小さくても観覧車。
近づけば堂々と見える…と思いきや、近づいても周囲の木々が元気すぎて全身はなかなか拝めない。

真ん中の看板には「ドローンがなくても観覧車に乗れば空撮できます」との表記。
調べたら2015年に姫路城でドローンを飛ばした事件があった模様。その皮肉も含んでいるのかもしれない。
乗車料金は200円。

大型観覧車のように常に回転しているわけではなく、係員の方に動かしてもらうスタイル。

看板にはメンテナンスの履歴と注意事項。古い観覧車なのでこういう情報は安心にもつながる。

改めて見返して気づいたが、定員36名と記載されている。
ということは、9基あるゴンドラ1つあたりの定員は4名。
が…実際のゴンドラを前にすると、小学校くらいまでの子供であれば何とか横に2人座れるが、大人なら左右1人ずつでいっぱいというサイズ感。
私と子供2人で乗ったが、それで定員ちょうどのようなイメージ。

ゴンドラには屋根もなく、座っていれば柵は頭の高さよりも上だが、ガラスもなく開放的。

動き出すと、キーキーとした音と揺れが全身に伝わる。最近の観覧車では味わえない体感。オープンな形状と相まって子供たちには少しスリリングだったようだ。

しかし、頂上に差し掛かると一気に視界が開け、目の前には姫路城。確かに“ドローンなしの空撮”ができる。すぐに下降してしまうけれども…

上を見ると、ゴンドラを支えている部分に透明のカバーが。2Lペットボトルの下1/3を切ったような形状。(本当にペットボトルな気もするが…なんとも判断できない外見)

ゴンドラのサイズ感はこのような感じ。
お城側に座れば、地上からとは違った映えるショットが撮影できる…かも。

下車後あらためてゴンドラを撮影。楕円形で下部は網状。

下から見上げる。天気が雲天で残念だが、コンパクトながら堂々とした姿で存在感は十分だ。

隣には昔ながらの遊具「飛行塔」。タワーから吊られた飛行機がワイヤーでぐるぐる回る。

観覧車に乗った後は園内を堪能。
子供たちの大好きなペンギンを見たり…

アイドル的存在のゾウ「姫子」を見たり。やはり動物園にゾウがいると一気に華やぐ。

半世紀以上のあいだ、大切に整備され、姫路城と訪れる人々を静かに見守ってきた観覧車。
次の世代にもこの眺めを届けられるよう、どうかこれからも回り続けてほしい。