【レビュー】プラター遊園地(Wiener Prater) Riesenrad

プラター遊園地(Wiener Prater)

地下鉄Uバーン1でプラターシュテルン駅へ。ホテルやオペラ座近くのカールスプラッツ駅からは6駅15分ほど。
プラター遊園地の大観覧車(リーゼンラート)は映画「第三の男」にも登場した現存世界最古の観覧車だけあって、多くのガイドブックに紹介されている有名観光スポット。
1897年に皇帝フランツ・ヨーゼフⅠ世の即位50周年を記念して作られ、今でもウィーンを代表とするシンボルのひとつとして人々に愛されている。
実際に現地に向かうと、すぐにそれを実感することになった。

まず電車を降りると駅にはインフォメーションや出口のマークに混じって観覧車マークが表示されている。

(nの上あたり)

地上への長い通路には壁に遊園地の絵がありリーゼンラートのイラストも描かれていた。
駅を出て遊園地へ向かうとすぐにコンテナ(?)の並ぶ壁の上に観覧車のゴンドラが一つ展示されていた。コンテナにはさらにゴンドラ下半分の絵が描いてある。

時間は18時半を過ぎ、少しずつあたりは暗くなって来たがまだ日没直後といった感じ。芝生の広場を抜けるとすぐに観覧車がお目見え。写真では何度も見ていたがようやく実物にご対面でき感動。同時に、イベントなどでおかしく飾り付けされていなかった事に一安心。(以前、サッカーのヨーロッパリーグ開催で千手観音のようなゴールキーパーの写真を貼られたことがあった…)
高さは68mと目を引くほど高いわけではないが、ゴンドラのサイズが大きいため全体も大きく見える。

まだ夜景を撮る時間には早いため、園内へ。
入場無料の為インフォメーションにも気づかず、なんとなくゲートをくぐって入口すぐにあったお土産屋を物色。
すると台座も入れると1m弱ありそうなリーゼンラートの置物を発見。

その後園内を徘徊し他の観覧車を色々探し回った。19時を過ぎたがほとんどの乗り物がライトアップされ乗り込む人々で賑わっている。以前頂いた情報では、園内に観覧車が合わせて5機あるとの事だったのだが一回りしても計3機しかみあたらなかった。もっとも園内は想像以上に広く、暗い中パンフレットも貰い忘れたためくまなくは回れなかったのだが…

一周してリーゼンラートに戻るとだいぶ空の色も暗くなっていた。

写真を数枚撮り切符売り場へ。

他のアトラクションとは違い、映画館のような専用チケット売り場には回りに昔の写真が沢山額縁入りで飾られていた。

チケットを購入、大人一人8.5ユーロ。(1ユーロ126円で1000円強)それなりにいいお値段。

レバー式の入場口を抜けると

小さなドーム場になった薄暗いスペースへ。
そこにはリーゼンラートのゴンドラ型のふた回りくらい小さい置物が放射状に配置されていて、中にはプラーターとオーストリアの歴史がジオラマで展示されていた。明かりは薄暗くなっていて壁にも歴史上の人物などのイラストがあった。

リーゼンラート誕生前、手動観覧車

ゴンドラが30基すべてあったころのリーゼンラート。

1944年、第二次世界大戦でゴンドラが焼け落ちたリーゼンラート。翌年1945年に再建された際に安全性の面から半分の15基になった。

展示室を抜けると写真撮影スペース。日本のように乗車直前ではなく、屋内の専用スペースに枠があり、そこによりかかって撮影。後でこれがゴンドラの窓枠として合成される。
とりあえず今回はやめておいた。

その先がようやく屋外で観覧車の乗降場になっていた。

乗降場には数えると11人並んでおり、12人乗りの為その次の乗車になった。運よく一番前になったためゴンドラの写真を思う存分撮影。

次のゴンドラが来たと思ったら中には丸テーブルを挟んで食事をするカップル。
そういえば、ゴンドラを貸し切ってパーティーなどができるんだったと思い出し、次のゴンドラを待っていたら今度は大人数でコース料理を楽しむ人達が。こういったサービスはセレブな方々がたまに使うだけだろうと勝手に思っていたのでびっくり。
そして降車口からウェイターが次の料理を運び、飲み物のオーダーを聞く間ゴンドラは停止したまま。中のおじ様はだいぶほろ酔いなのか、私がカメラを撮影しているのに気付くと料理やワイングラスを片手に撮影しろという動作を何度もされたので、あげることもできないのに何枚も撮影してしまった。

ようやく次に一般乗車用のゴンドラがやってきて乗車。木製で昔の小さい路面電車のような造りになっており、真ん中に椅子がある。壁には至る所に落書きされていて、色々な文字がありこんなところで各国から人が訪れていることを実感。

窓から見える柱はたくさんの細いワイヤーやネジでゴツゴツして見え、古い観覧車特有の機械っぽさを醸し出していた。

よく見ると支柱の輪の部分が完全に円ではなく、ゴンドラを支点に角ばっている。

景色は人が多いため中を動き回ることが出来ず、園内と駅の方向しか見えなかった。

園内はライトアップされ光りが溢れており、もう一つの観覧車も望めた。

途中また何度か乗降のため止まりながら、子供が多く始終にぎやかなまま一周終了。
出口までの間にはお土産屋があり、日本の遊園地ではありえないほど観覧車グッズで溢れていた。既に遊園地入口のショップでこの何分の一から選び少し買ってしまった事を悔やむ。
もう8時も過ぎていたので、ここでは特に何も買わずに退散。


そして翌々日の10/6再訪問。

写真の色が飛んでしまうほどに晴れていた。

入口のゲート。この右のほうにインフォメーションがあったのだが気づいたのは退園する時だった。

園内はレストランにはマーク

壁にはイラストが

ここで先にまだ乗っていなかったBlumenradに乗車。
その後再度戻り、いざ昼間のリーゼンラートへ。

今度は時間もあったので写真を撮影し購入。9ユーロとちょっとお高め。


レジの横には観覧車マーク入りのスタッフの名札がたくさんかけられており、外からよく見ると名前の下にいくつかの国旗が。おそらくその国の言葉を喋れるという事なのだろうが、みんな数ヶ国のバイリンガルでびっくり。残念ながら日の丸が描かれた人はいなかった。

ちなみに赤・白・赤の横線のものがオーストリア国旗(ドイツ語)。

今回は乗り場に誰も並んでおらず、貸し切りかと期待したがゴンドラが到着する直前に二組ほど並んでしまった。

ゴンドラの落書きは前回乗ったものよりさらに多かった。前回のものは側面はほとんど無く綺麗だったので結構頻繁に張り替えているのかもしれない。

人が少ないため写真はよく撮れたが、中心街は逆光気味。
皆大人だったためゴンドラ内は静かだったが、逆に喋るのが気まずいほどシーンとする事が多々あった。やはり乗り合いゴンドラはどこか落ち着かない。

あまり臨場感がないが、動画(酔いやすい人は注意してください)

降りると目の前にリーゼンラートスウォッチの広告が。

そして今度はお土産もじっくり選出。観覧車グッズが多くて悩むなんて初めての経験だった。

が、結局自分には便箋、古本になっていたモノクロ写真集しか購入せず。

リーゼンラートの下にあるレストラン「ワゴン31」。当初あったゴンドラが30基のため、”31基目のゴンドラ”という意味のよう。

今回の旅行の行き先1つ目は迷わずにオーストリアを選んだ。それは観覧車を調べ始めてここだけはいつか絶対乗りたいと思っていたこのリーゼンラートがあったからだった。
リーゼンラートは世界初の電動式大観覧車「フェリスホイール」と同じ時代に作られただけあって、スポークや車輪、ゴンドラの雰囲気などが写真でみるフェリスホイールを思わせる。
100年以上前からここにある観覧車。周りの景色も人々も当時から想像できないくらい変わってしまったと思うけれども、ゆっくり回るリーゼンラートのグレーの支柱と朱色のゴンドラのコントラストをぼんやり見ていたら、観覧車の原点を垣間見れた気がした。